SpaceX(SPCX)、ナスダック100入りで買い需要も ウォール街の目標株価は200〜800ドル、強気派は"900ドル"視野
AI マーケットサマリー
SpaceXのIPO後のクワイエット・ピリオド解除後の局面は、幅広いアナリスト目標株価が異例に高いバリュエーションのばらつきと無視できない実行リスクを浮き彫りにするなかで、ファンダメンタルズへと焦点が移りつつある。Nasdaq100への組み入れはパッシブ需要を強制し、短期的な資金フローを下支えする一方、株価の反落は期待に対する感応度の高さを示している。10万基の衛星まで拡大するためのFCC提出書類は長期的な成長ストーリーを強化する一方で、資本集約度と技術的マイルストーン(Starship、Starlink、AI関連サービス)を主要なドライバーとして一段と重要にしている。
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● 高い
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6月のIPOに伴うサイレント期間が終了し、ウォール街が相次いでSpaceX(ティッカー:SPCX)のカバレッジを開始した。ナスダック100にも正式採用され、指数連動ファンドに組み入れ需要が発生。投資家は、強気な成長シナリオと実行リスク、高水準のバリュエーションを天秤にかける局面に入った。
株価は151.74ドル(前日比5.41%安)。IPO価格135ドルから一時225ドルまで上昇した後、上げ幅を縮小した。
主要証券の初期見立ては強気寄りが目立つ。モルガン・スタンレーは"Overweight"で新規カバレッジを開始し、目標株価は300ドル。企業向けAIを成長領域に挙げ、計算資源への需要拡大や、その先のマネージドAIサービスが追い風になるとした。
シティは年末目標を200ドルに設定した一方で、数年先を見据えた強気シナリオとして1株900ドル到達の可能性にも言及。Starshipの展開が進み、重要な工学目標をスケールして達成できれば、上方余地が開けるとみている。レイモンド・ジェームズは"Strong Buy"で目標株価800ドルと、初期の中でも最高水準を提示。アナリストのBrian Gesuale氏は、将来の大市場が成立することが前提としつつ、SpaceXが今世紀を代表する産業インフラ企業になり得ると述べた。
評価のレンジは極めて広い。18人のアナリスト目標の平均は278ドルで、Needhamの200ドルからレイモンド・ジェームズの800ドルまで開きがある(出所:X)。シティが示した"900ドル"の長期観測は、企業価値を約12兆ドルと試算する水準で、現在の時価総額約2.1兆ドルを大きく上回り、現時点の最大級の上場企業をも超える計算になる。
バンク・オブ・アメリカは目標株価235ドル。宇宙市場の不確実性を踏まえつつ、SpaceXが保有するインフラが将来の市場拡大時に価値を持ち得るとして、長期価値の一部は"オプション価値"として捉えるべきだとした。モルガン・スタンレーも結果の振れ幅の大きさを強調し、弱気ケース75ドル、強気ケース600ドルを提示。AIと宇宙の機会を評価する一方、実行、資金調達、技術面のリスクを挙げた。
ナスダック100採用は、記録的IPOの後に実現した。指数に連動する資金はベンチマークに合わせてSPCXを買い入れる必要があり、需給面の下支えが意識される。ただし、上場直後からボラティリティは高く、急騰後の調整局面で投資家はバリュエーションと成長計画を再評価している。
バリュエーションも目立って高い。バンク・オブ・アメリカは、SPCXが2027年利益の118倍、2028年利益の43倍で取引されていると推計。ブルームバーグによれば、ナスダック100の予想PERは概ね23倍近辺という。指数組み入れによるパッシブ需要は追い風になり得るが、長期の株価パフォーマンスは売上成長、Starshipの実行、Starlinkの拡大、AI関連事業の立ち上がりが左右するとアナリストはみている。
衛星計画も拡張に動く。SpaceXは、第3世代の衛星コンステレーションとして10万基の打ち上げ・運用についてFCCに承認を申請した。グローバル接続とAI関連需要への対応を狙う。イーロン・マスク氏はXで衛星計画に触れ、"もっと大きいロケットが必要になる!(Starship)"と投稿し、衛星拡張と次世代打ち上げシステムの関係を示唆した。
Starshipは強気シナリオの中核と位置づけられている。シティは、Starshipが計画通りに展開されれば、競合が容易に追随できない低コストかつスケーラブルな宇宙輸送ルートを生み、宇宙市場へのアクセスを一段と広げる可能性があると指摘した。
この日の下落で、SPCXの時価総額は約1,200億ドル減少したという(CoinCodex)。