SEC、暗号資産向け新規制案を提示 登録免除とセーフハーバーを導入へ
AI マーケットサマリー
SECの402ページに及ぶ"Regulation of Crypto Assets"(暗号資産の規制)提案は、段階的な登録免除と、トークンがいつ投資契約としての地位から離脱し得るかを明確化する条件付きセーフハーバーを導入する。CLARITY Actが頓挫した後に出てきたもので、訴訟による執行(enforcement-by-litigation)に対して、よりルールベースのアプローチを示唆する一方、成熟度の低いプロジェクトにとっては継続的な開示コストを押し上げる可能性がある。すでにコモディティと見なされている主要資産は概ね影響を受けないが、暗号資産全体にわたるコンプライアンス期待の変化が、規制リスクの再評価につながる可能性がある。
影響度
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CoinDeskによると、米証券取引委員会(SEC)は8月18日、暗号資産の提供・販売に関する専用の枠組みを初めて正式なルール草案として示す402ページの提案書"Regulation of Crypto Assets"を公表した。柱となるのは、証券登録に関する2種類の免除枠と、一定条件下で投資契約(investment contract)該当性を整理するセーフハーバー条項だ。
今回の公表時期にも注目が集まる。数日前には、成立が期待されていたCLARITY Actが上院会期終了前に採決に至らず、年内進展への市場期待が後退した。記事は、議会立法が停滞する中で、SECが規則案の提示により一部の空白を埋めようとしているとの見方を示している。
■ 資金調達に関する2段階の免除
提案は、すべてのトークンに一律の免除を当てはめるのではなく、"covered cryptocurrency investment contracts"(対象となる暗号資産投資契約)に対して2階層の免除を設ける。
・スタートアップ免除:4年間で資金調達上限500万ドル
・資金調達免除:直近12カ月のローリング期間で上限7,500万ドル
いずれの免除でも、詐欺防止(antifraud)義務が免除されるわけではない。
スタートアップ免除は主に初期段階のプロジェクトを想定し、従来の登録書類の代わりに簡素なナラティブ開示を認め、監査済み財務諸表の提出も不要とする。開発途上の案件に成長のための時間を与える狙いがあるという。
もう一つの資金調達免除は調達額に応じて要件が変わる。年間調達が2,000万ドル以下なら監査済み財務諸表は不要だが、上限の7,500万ドルを利用する場合は財務諸表の提出と継続開示義務が課される。過去に私募やSAFTで資金を集めたプロジェクトでは、その後のコンプライアンスコストが大幅に増える可能性があると記事は指摘する。
■ セーフハーバーで"投資契約"からの離脱判断を制度化
提案の目玉は、投資契約の位置付けに関する条件付きセーフハーバーだ。要約によれば、発行体が過去に約束した中核的なマネジメント上の取り組みを完了、または恒久的に停止している場合、一定の条件を満たせば当該トークンは投資契約の一部と見なされなくなる可能性がある。
これは、トークンがいつプロジェクトチームの継続的な努力への依存を脱し、証券の枠組みから外れるのかという長年の論点に正面から取り組む設計だ。SECが、個別の執行や訴訟判断に依存するのではなく、この判断を規制枠組みに明文化しようとしている点が初めてだと記事は述べる。
この考え方は、2023年のRipple訴訟で、取引所でのXRPのプログラム販売が自動的に投資契約に当たるわけではないとした裁判所の論理の一部とも重なる。SECは類似の基準を制度化しようとしているが、運用を巡っては議論を呼ぶ可能性がある。
■ 適用範囲は限定的、意見募集は60日
提案は主要トークン全体に及ぶものではない。2つの免除が利用できるのは"covered investment contracts"の発行体に限られ、2026年3月の共同解釈でデジタル・コモディティ(digital commodities)に分類されたトークンは枠外となる。
記事によれば、Bitcoin、Ethereum、XRP、Solanaのようにコモディティと位置付けられるトークンは、そもそもこれら免除に依拠する必要がなかった。一方で影響を受けるのは、分散化や機能面で十分な成熟に至っていないプロジェクトだ。
SECは官報(Federal Register)掲載後の8月21日から60日間のパブリックコメント期間も設定した。開示基準、適用対象、セーフハーバーの発動条件を巡る議論は今後さらに活発化するとみられる。