グレースケール:FRBが利上げ停止なら、ビットコインはすでに底打ちの可能性
AI マーケットサマリー
Grayscaleは、FRBが追加利上げを停止すれば、ビットコインの弱気相場の安値はすでに付けた可能性があると主張しており、これはBTCが実質金利と成長期待に対してますます敏感になっていることを反映している。同社の見立ては、マクロの安定に加え、特有のリスクが低下することが条件である。具体的には、CLARITY Actの進展と、3,588 BTCの売却により現金準備が拡大し、MicroStrategyの流動性が改善したことが挙げられる。インフレ、成長、または法案で失敗すれば、下振れリスクが再び高まる可能性がある。
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グレースケールのリサーチ責任者ザック・パンドル氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを止めるなら、ビットコイン(BTC)の"最悪期"はすでに過ぎた可能性があると指摘した。
同社リサーチは、今回の弱気相場の終点を読むうえで2つの見方を整理している。
1つ目は"サイクル"(4年周期)に基づくアプローチ。BTCは過去、サイクルのピークから約1年後、半減期から約2.5年後に底を付ける傾向があり、過去の急落局面では平均的な下落率(ドローダウン)が約80%に達した。これを現在の局面に当てはめると、まだ下押し余地が残り、9月〜10月に安値を付ける可能性がある。水準としては、BTCが直近で割り込んだ6万ドル近辺を大きく下回るシナリオも含む。
もう1つは"マクロ"要因で読む見方で、パンドル氏はこちらを重視する。BTCは成熟したマクロ資産のように、成長期待、実質金利、中央銀行政策と連動して動く度合いが強まっているという。FRBの金融引き締めが打ち止めとなり、景気が大きく崩れないなら、マクロ主導の安値はすでに形成済みの可能性がある。一方で4年周期の枠組みでは、弱気相場が長引く見立ても残る。
パンドル氏がマクロ要因を優先する理由として、機関投資家の採用拡大が市場構造を変えた点を挙げる。資産配分の担い手や企業財務がBTCを保有するほど、半減期のタイミングよりも、FRB政策や実質的な資金調達コストといったマクロ変数の影響が大きくなるという。要するに、BTCは"市場全体と一緒に動く"局面に入っているという認識だ。
グレースケールは6月のノートで、BTCが安値を固めるうえで重要な条件を3点示していた。(1) デジタル資産の連邦レベルの市場構造を整備する法案(いわゆるCLARITY Act)の前進、(2) マイクロストラテジー(最大の企業BTC保有者)のバランスシート安定化、(3) FRBの利上げ停止。
同社のベースケースは、法案が上院を通過し、マイクロストラテジーが流動性を厚くし、FRBが追加利上げを回避するというもの。この3つがそろえば、大幅な再下落の確率は低下するとみる。逆に、CLARITYが停滞し、企業財務がデレバレッジを続け、インフレが追加利上げを迫るなら、下値余地はなお残るとパンドル氏は述べた。
CLARITY Actは、取引所、開発者、トークン発行体などに関する連邦の市場構造とルールを整備する内容。グレースケールの前回アップデートでは、委員会承認を経て上院日程に載ったものの、本会議での審議、修正の可能性、60票の確保が必要で、年内成立は確約されないとしている。
企業保有者の売り圧力への警戒が強まったのは、BTCが6万ドルを下回り、ETFからの資金流出とレバレッジ清算が重なった局面だった。6月ノート以降、マイクロストラテジーは3,588BTCを約2億1,600万ドルで売却した。
グレースケールはこの売却を"安定化"の動きと位置づける。売却代金で優先株配当の支払いに対応し、同社のドル建て準備金は約25.5億ドルに増加。当時の条件では配当支払いを約17カ月分まかなえる水準という。現金バッファー拡大により、緊急の資金調達や追加の強制的BTC売却の必要性が下がるとみる。
同社の更新後のトレジャリー方針では、配当のドル流動性を維持するために株式発行やBTC売却を選択できる。グレースケールは、こうした選択肢がバランスシート不透明感を抑えると評価した。この発表後、BTCは一時6万1,000ドル近辺へ動いた後、相場は6万3,000ドル台へ戻した。
結論として、パンドル氏の強気シナリオは明快だ。FRBが利上げを止め、成長が安定し、政治面と企業バランスシートのリスクが和らぐなら、BTCはすでに底を打っている可能性がある。ただし判断は、インフレ動向、金融政策、景気、法制化の進捗というマクロ・政策要因次第。インフレが追加引き締めを招き、成長が鈍化し、立法が停滞すれば、現在の安値は一時的にとどまり、さらなる下落につながる可能性がある。