EU規制当局、未認可ステーブルコインの取り扱い停止へ 暗号資産プラットフォームに3カ月の猶予
AI マーケットサマリー
ESMAのガイダンスは、EUの規制当局に対し、認可を受けた暗号資産プラットフォームに、MiCAに準拠しないステーブルコインを顧客が購入・取引・保有増加できるサービスを3か月以内に終了させるよう求めており、既存残高については限定的な"巻き戻し"対応のみが認められる。トークン名は挙げられていないが、実務上の最大の対象はUSDTである。この政策はコンプライアンスリスクを高め、EUにおけるステーブルコイン流動性を分断し得るほか、認可されたEURまたはUSDのステーブルコイン代替への移行を加速させる可能性がある。
影響度
● 高い
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▼ 弱気
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欧州証券市場監督局(ESMA)は木曜日、EU域内の暗号資産プラットフォームに対し、米ドル連動のUSDTなど、EUの暗号資産規制「MiCA(Markets in Crypto Assets)」に適合しないステーブルコインへの顧客エクスポージャーを、最長3カ月以内に解消するよう求める新たなガイダンスを公表した。これは各国当局に向けた意見書の形で示されたもので、個別トークン名は明記していない。
時価総額で最大のステーブルコインであるテザー(Tether)発行のUSDTは、MiCA上で未認可の代表例とみられる。時価総額3位のPayPal USD(PYUSD、直近$0.9997)も未認可とされる。
MiCAのステーブルコイン規則は2024年6月に適用が始まり、EU利用者向けに提供されるドル連動・ユーロ連動トークンの発行体に対し、認可、準備資産、償還、情報開示などの要件を課している。ESMAはステーブルコインを「資産参照トークン(ART)」および「電子マネートークン(EMT)」と位置づけ、「CASP(暗号資産サービスプロバイダー)は、MiCAの適用要件に適合しないARTまたはEMT(非MiCA適合)に関する暗号資産サービスを提供すべきではない」とした。
MiCAの暗号資産プラットフォーム向け規則は7月1日に全面施行され、認可を得ていない事業者はEU域内顧客への提供を停止する必要がある。今回のガイダンスでは、認可を受けた事業者であっても、EU顧客が対象ステーブルコインを購入、売買、スワップするなどして保有残高を増やせるサービスを停止するよう求めた。対象は交換サービス、取引執行、送金、カストディ(保管)、管理、助言、ポートフォリオ管理に及ぶ。
ESMAは、残存する顧客保有分について「できるだけ速やかに、かつ意見書公表から遅くとも3カ月以内」に解消するよう各国当局が求めるべきだとし、期限は2027年1月8日になるとした。
一方で清算期間中は、既存保有分の解消に必要な限定的サービスの提供は認められる。具体的には売却、他通貨への転換、出金、移転、保管などが含まれるが、新規購入、プロモーション、取引提供、継続的な市場提供は認められない。
取引所でUSDTを保有するEU利用者は、各プラットフォームの案内に従う必要がある。清算期間中に売却または出金できる場合もある一方、より早い段階で取り扱い停止となる可能性もある。
ESMAは、非適合ステーブルコインを認可プラットフォーム経由で利用可能な状態に置くことは、MiCAが認可発行体に課す準備資産、償還、ガバナンス、情報開示の規律を弱めると指摘した。意見書は各国規制当局に宛てたもので、個々のプラットフォームが残存顧客残高をどのように処理するかは、3カ月の上限の範囲内で各国当局が判断する。