米10月利上げ確率は18%台に低下 雇用・インフレ指標の鈍化で「据え置き」が本命

AI マーケットサマリー
軟調な雇用とコアPCEの低下により、10月利上げ確率は約18%まで低下した一方、利下げはなお織り込まれておらず、「より長く高水準」体制が強化された。利上げ見送りが有力であっても、10年債利回りの高止まりと12月利上げの可能性が、金融環境を引き締まった状態に保っている。弱い雇用統計を受けたビットコインの急反応は、金利感応度とポジショニングを浮き彫りにしており、今後のインフレ指標が短期的なボラティリティを左右する可能性が高い。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
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CMEのFedWatchツールによると、10月28日の米連邦準備制度理事会(FRB)会合で利上げが行われる確率は18.3%まで低下した。雇用とインフレの指標が弱含んだことが背景。利下げ確率は0%で、市場のベースシナリオは政策金利の据え置きとなっている。 もっとも、据え置きが直ちに金融環境の緩和を意味するわけではない。FRBは9月に2023年以来となる利上げを実施しており、追加利上げが12月にずれ込む可能性も残る。ゴールドマン・サックスは、次の利上げ時期として12月を見込む。 FedWatch(先物価格から政策金利の確率を算出)は、9月30日時点で利上げ確率を37.6%としていたが、10月8日にはおよそ18%へ低下。9月の雇用統計では非農業部門雇用者数の増加が2.9万人にとどまり、市場予想の約9.0万人を大きく下回った。 インフレ指標も下振れした。FRBが重視するコアPCE(個人消費支出)価格指数は8月に前月比0.2%上昇と、市場予想を下回った。フィリップ・ジェファーソンFRB副議長とジョン・ウィリアムズNY連銀総裁も、追加措置を急ぐ必要はないとの姿勢を示している。 一方で利下げが遠い理由もある。9月会合議事要旨によれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の多くが、2026年にもう一段の利上げが適切となる可能性を見込んでいた。エネルギーコストも上昇圧力となっており、Yahooによると、原油は9月29日までの1カ月で約14%上昇し、1バレル96ドル超まで上がった。 ビットコイン(BTC)にとっては、10月の据え置きが価格下押し要因の一部を取り除く可能性がある。ただし利上げが12月に先送りされるだけなら、警戒は続く。弱い雇用統計の発表直後、ビットコインは数分で上昇し、CoinGlassのデータでは1時間で約2,750万ドル相当のショートが清算された。 ただ、米国債利回りの高さが状況を複雑にしている。米10年債利回りは10月1日に5.342%を付け、2002年初以来の高水準となった。アナリストのベンジャミン・コーウェン氏は、債券市場の一部が「FRBが引き締め不足に陥る」ことを懸念し、それが利回り上昇を促していると指摘。懸念のピークは10月28日の会合前後になるとの見方を示した。 据え置きが実現した場合、市場が「利上げの先送り=安心材料」と受け止めるのか、「後により大きな負担として跳ね返る」とみるのかが試される。FRB高官18人中16人が追加利上げを見込んでいるなか、10月14日のインフレ指標が、会合の結果以上に市場の方向感を左右する可能性がある。