BitMEX、親会社承認を受け取引所を恒久停止へ
暗号資産デリバティブ取引所BitMEXは、親会社HDR Globalが事業停止計画を承認したことを受け、取引所の運営を恒久的に終了すると発表した。戦略見直しの結果として、暗号資産業界全体の環境変化と同社の事業優先順位の変化を理由に挙げている。
同取引所は発表と同時に新規アカウント登録の受け付けを停止した。一方、既存ユーザーは予定された停止日まで、アカウントへのアクセス、建玉管理、資産の出金が可能とされる。
HDR Globalは、BitMEXが100倍レバレッジのパーペチュアル・スワップを投入するなどの革新を進めてきたこと、また11年以上にわたり大規模なハッキングで顧客資産を失わなかった実績を踏まえつつ、閉鎖は難しい決断だったとしている。
取引サービスは段階的に縮小
BitMEXは、最終停止に向けて取引制限を段階的に強化する。ユーザーに対し、期日までに建玉の解消と資産の出金を進めるよう呼びかけた。
8月26日04:00(UTC)以降、トレーダーは新規ポジションを建てられず、既存ポジションの縮小またはクローズのみが可能になる。加えて、円滑な市場退出を目的に、未決済ポジションは順次強制クローズの対象となり、正式な停止時点で残っているポジションは自動的にクローズされる。
流動性が低い一部コントラクトについては、早期清算手続きが実施される見込みで、対象ユーザーには同社の通常の連絡手段を通じて事前通知するとしている。なお、同社は各期限までのポジション管理はユーザー責任である点も改めて強調した。
休眠口座に出金促進の新規手数料
閉鎖後もプラットフォームに資産を残したユーザーに対しては、新たな手数料体系を導入する。KYC(本人確認)済みアカウントで残高がある場合、月額50米ドル、または保有額の年率1%のいずれか高い方が毎月課金される。BitMEXは、事前告知のうえで当該手数料を引き上げる権利も留保した。
閉鎖告知に便乗したフィッシング詐欺にも警戒を促している。BitMEXは、詐欺的な主張があっても"優先出金サービス"は存在しないと明言した。
また、出金需要の増加が見込まれることから、追加のセキュリティ審査により処理時間が延びる可能性があるほか、ブロックチェーンネットワークによっては出金の反映に時間を要する場合があるとしている。
今回の閉鎖は、暗号資産業界で長年稼働してきたデリバティブ取引所の一つが幕を下ろすことを意味する。BitMEXは、最終的な縮小プロセスの間は限定的にアカウント利用を継続できる一方、指定された期限までに資産を速やかに出金するようユーザーに求めている。